現地採用と駐在の違い

タイの求人も現地採用が一般的ですが、こちらでは現地採用と駐在員のそれぞれ特徴についてご紹介します。

現地採用と駐在の違い


 

 

海外で働く際には、主に現地採用と海外駐在員という2つの働き方があります。

どちらにも特徴があり、人によって適している働き方は異なります。海外ビジネスの全体的な傾向としては、海外駐在員を減らして、現地採用やローカル社員を増やしていこうという流れにあります。

タイの求人も現地採用が一般的ですが、こちらでは現地採用と駐在員のそれぞれ特徴についてご紹介します。

 

現地採用と海外駐在の違い:雇用元が違う

「現地採用」の雇用主は、日系企業や現地企業などの海外現地法人です。現地で直接雇用され、移住することを指します。

「海外駐在」の雇用主は、日本企業や外資系企業の日本法人です。日本で雇用され、会社の辞令で海外拠点に赴任することをいいます。

この雇用元が異なることが、現地採用と海外駐在の根本的な違いです。これによって、待遇や働き方等に特徴が出てきます。

 

<現地採用の特徴>

【待遇面】

・現地水準の給与

現地企業での直接雇用なので、現地水準の給与になります。タイの場合、現地水準ではあるものの、外国人の最低給与はタイ人社員よりも高く定められています。日本で雇用されていないので、日本での年金や保険は、自己負担または加入しないという選択になります。

・現地企業の福利厚生

現地企業が提供する福利厚生が付与されます。賞与、昇給、各種手当、医療保険等、基本的に現地にある福利厚生サービスをタイ人社員と同等の待遇で付与されます。外国人社員には、医療保険や手当が多少優遇される場合もあります。

・現地企業での昇進、キャリアアップ

自身の業務成果によって、現地企業の評価基準で昇給、昇進可能です。タイは日本よりも平均的に昇給率が良いので、給与アップの手応えを感じられます。若いうちからマネージャー等に昇進できる可能性があります。

・就業先の企業や国が選べる

海外現地企業に直接就業するので、自分で働きたい国や企業が選べます。自分の興味やキャリアに応じて、タイ国内の別企業への転職や、国境を超えての仕事探しが柔軟にできます。

・海外就労の期間や生活の自由

その国でどのくらいの期間働くか、自由に決めることができます。その国や仕事が気に入れば、永住することも可能ですし、早めに帰国することも可能です。生活拠点も、会社への徒歩圏内や外国人が少ないローカル感の強いエリアなど、自由に決められます。

・日本帰国後の就労先がない

現地企業に就業しているので、日本での雇用先はありません。日本に帰国し、就業を再開するためには、帰国前後で改めて転職活動が必要です。

 

 

【業務内容】

・現地に根ざした業務

現地採用の仕事は、現地ローカルに近い現場の業務が多くなります。現地企業同士のやりとり等現地で完結する業務が挙げられます。一方で、タイから近隣東南アジア諸国との連携業務に携わる機会もあるでしょう。

・タイ人との協業、駐在員との連携

現場の業務が多いので、タイ人社員との連携や協力が重要になります。また、日本人駐在員がいる場合、その駐在員と連携して本社業務の対応、タイ人社員の調整・協力指示なども行います。

 

<駐在員の特徴>

・日本水準の給与

一般的に、雇用元の日本企業が給与を支払います。タイの場合、現地採用の2、3倍の給与額になります。日本企業に雇用されているので、年金や医療保険なども、継続加入しています。

・福利厚生が手厚い

会社の命令による赴任のため、福利厚生が手厚く支給されます。主に、家賃補助、車・ドライバー付与、子供の学費補助、一時帰国補助などが挙げられます。医療に関しては、一般的に海外旅行保険に加入するため、キャッシュレスでだいたいの医療サービスを受けられます。

・日本帰国後も雇用が継続する

もともと日本企業に雇用されているため、日本へ帰国後も再就職や給与の心配はありません。帰国時も、引っ越し等に会社のサポートが入ることもあります。

・赴任地、帰任地が選べない

会社命令で海外勤務となるため、基本的には自分で駐在赴任先を選ぶことはできません。日本に帰任する際は、本社以外の地域や今までと異なる部署に帰任、配属となるケースもあります。また、日本に帰らずに、そのままシンガポールやベトナムなどの第3国へスライド赴任することもあります。

・赴任期間は会社次第で変わる

赴任期間は2~5年程度が一般的です。製造業企業では、10年前後の駐在になることもあります。これらの赴任期間は、社会情勢や会社都合により短縮・長期化することがあります。海外現地での業務進捗や自身のキャリアに関係なく、辞令があれば異動・帰任となります。

・駐在員になれるまで時間がかかる

実際に駐在員になるには、会社で一定の成果を出したり、経験を積んだりと、ある程度時間が必要な企業が多いようです。会社によっては、経験のため若手社員に駐在させるケースもありますが、30代、40代以降の中堅社員を派遣することが一般的です。

 

 

【業務内容】

・本社からの業務

基本的に日本本社から赴任しているため、本社からの指示に従って業務を行います。現場業務より、現地社員の管理や部署・会社全体の統括業務などが主な駐在員の仕事です。タイの現場の状況を鑑みつつ、本社から与えられた目標や課題解決を行っていきます。

・本社への報告、本社社員のタイ出張時サポート

本社への定期的な報告は欠かせません。週次、月次でのレポートや報告書などの書類作成や、本社との電話会議やWeb会議も多いようです。コロナウィルス流行後は少なくなりましたが、本社社員がタイに出張してくる際の公私のサポートも、駐在員の大きな仕事のひとつです。

 

いかがだったでしょうか。

海外で働くといっても、現地採用や海外駐在では、様々な点で特徴があります。自分が何をしたいか、何を重視するかなど、価値観によってどちらの働き方が合っているかは変わってくるでしょう。自由なキャリアを描ける現地採用と、安定した待遇の海外駐在。海外就職を検討する際には、ぜひこのような視点でも自分の将来を考えてみてはいかがでしょうか。

 

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